夢物語2
「やばい、遅れる」
先程から港町をぐるぐると車で徘徊している。
遠くに見えるあの大きな船に乗って、
出張に行かなければないのに。
「ここさっき左に曲がったよね?」
「多分。」
彼が運転してくれている。
すぐ帰ってくるし、
そこまで遠出をするわけでもないのに、
とても心配してくれている。
この港町は、夜の夜景に包まれたかと思えば
真昼の暑い日差しが差し込んだり、
とても不思議な街だ。
私たちは反対方向の右に曲がり、道なりに進むとようやく広い港に着いた。穏やかで青い海が見える。
船を眺める。
大きい船だ。
豪華客船ほどの大きさがあるが、
中はそれほど豪華ではない。
「じゃ!行ってくる!」
私はそそくさと船に乗り込み、雑貨店に向かった。
「出航前に買い物しておかなきゃ」
食べ物など、これから必要な物をカゴに入れる。